弱者男性の唄

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1661戦目「パイオニア ラクドスサクリファイスめも」

イオニアシーズンが終わってしまったので、次やる時が来るまでのまとめ


イオニアサクリファイスを本気で使おうと擦り始めてから2年くらいになった

元々GRN〜M21期から猫竈を擦っていて、パイオニアでは当初ジャンドでパンくずコルヴォルドをフィーチャーしていたが、プールの広がりと共に緑要素が弱くなっていった
そのため現在主流のラクドスサクリファイスに着手した 下記はMOチャレンジ勝ちまくりJaberwockiのリスト


はてなはリスト埋め込めないよ ガビガビでごめんね

ラクドスサクリファイスラクドスミッドレンジの弟分のようなデッキで、ミッドレンジの重いカードと土地を排し、2マナ以下のカード達を22枚の土地で回転させるデッキだ また、ジェガンサを相棒に使えるのも差別点である

特に大釜の使い魔と魔女のかまどの猫竈システムで相手の1番強い攻撃を止め続けながらライフを削っていくのが有名だろう

ゴールとなる3マナ域は鏡割りの寓話と波乱の悪魔で、寓話はデッキ内のあらゆるカードと緩いシナジーで結びつく潤滑剤、波乱は逆にデッキ名を冠するサクリファイス要素と強く結びついている
猫竈が点で攻撃を止めるのに対して波乱の悪魔は盤面を制圧していく 総じてアグロに強い性質となっている
また、採用している生物の殆どを初子さらいで処理出来、除去もサクリファイスで有利に躱せるためラクドスミッドレンジも得意な対面と言える

ちまちま細々とカードをシナジーで繋ぐため、2段階以上スケールの違う相手が苦手だ
具体的には爆発的なマナで呪文を連鎖させる緑単信心、戦いの軸が異なるためサクリファイスが効かないロータスコンボ、1回の除去では捌き切れないアブザン脂牙、各種アトラクサデッキなどだ そしてパイオニアは往々にしてこれらのシェアが高い


部族デッキと戦うと毎回こんな感じ(半分くらい自分の猫が犠牲者)


ここまでを踏まえて、現在自分が使っているリストを展開する 実績と言えるレベルではないが、直近で用いたCS店舗予選はSEへ数回、TLS予選でも連続で権利獲得となった これらの合間に別のデッキも使用しているが成績は残せていないため、サクリファイスとしてはある程度(本当にある程度…)の強度を担保できるはずだ

本当に画像がガビガビでしょーもないのだが、内容としてJaberwockiが広めたリストとは異なっている(サイドに関してはMOで継続して勝つために特に苦手な相手へ厚くサイドを取っているだけなため不問とする)
大別して下記の点についてだ

ジェガンサを排し黙示録シェオルドレッドの採用
②不運な目撃者の不採用
③メイン/サイドへ土地を各1枚増量
④変形サイドプラン

以降よりそれぞれについて説明していこうと思う


ジェガンサを排しシェオルドレッドの採用

一般的なラクドスサクリファイスではジェガンサを相棒に指定し追加リソースの獲得、専らマナフラッドへの受け皿として機能させている
対して、シェオルドは言わずと知れた高性能クリーチャーで、ゲームの呼吸とも言えるドローに強烈な制限を掛ける しかしシェオルドレッドのコストはダブルシンボルを含むため、この2枚は両立が不可能となっている

一般的にラクドスサクリファイスにシェオルドレッドが採用されることは無いのだが、これは序論にて述べた土地を絞った構成に起因している 安定して伸ばせるのは3マナが限界なのだ

しかし、4マナがキツいとなると怪しくなるのはジェガンサの採用についてだ 4がダメで5マナが出やすい、なんて事はこのゲームでは起こらない(強いて言えばマナは宝物で伸びるのだが、スクリュー気味な序盤や中盤のダブルアクション等で消えてしまう)
さらに言えば、3マナが構成の頂点ならば、3マナまで伸びたら寓話と波乱を連打し速やかに勝ちに行く そうせずに相棒を拾っている展開は少し苦しいのではないか

また、ジェガンサの役割はどこまでも5/5/5のサイズのみだ テキスト欄にはもう少し能力が書いてあるが、本デッキにおいてそれが何かを意味する事は概ね無い

私の思想としては、条件を満たしているから後付けでジェガンサを使うのであれば、相棒ジェガンサよりも強いダブルシンボルがデッキを強くするのではないか という事がテーマとなっている
そこで白羽の矢がたったのが黙示録シェオルドレッドである

簡潔にシェオルドレッドの利点を上げていく
・投下から2+6+6+6でジェガンサより高クロック
・寓話や波乱への対処を迫りながら後続としてさらに
対応を要求していく
・青いデッキの切り返しをさせず制限時間を突きつける
・アグロデッキへ繰り出せる現実的なコストでありなが
ら、ライフゲインで攻めの取りこぼしを防ぐ

上記のようにジェガンサをスペックでは上回っている
4マナは寓話の1.2章を経由すればまだ現実的なコストであり、初手から抱えた場合は行動の指針に、マナが余り始めた中盤以降はトップした際に単純に強いカードとして扱いやすい それ以上のマナフラッドはミシュラランドに任せるプレイングを意識している

初めは22枚の土地基盤にそのままシェオルドレッドを1枚挿していたが、すぐに勝利貢献度が高いことが分かり、現在は土地を増やしてでも増量している


②不運な目撃者の不採用

まず前提として猫や不運な目撃者はアタッカーではない
大釜の使い魔は自身がウロウロするだけでライフレースが起こるため、まだアタッカー寄りではある

1マナのカードは最序盤に命取りの論争がダブついていたり、不利マッチで特定のカードを探す場合などこちらが能動的にサクリファイスを行いたい場合の生贄要因であると言える 不運な目撃者は相討ちしたり論争に放り込むとリソースの総量が増える 竈が設置済みであれば赤い手練のように扱うことも可能だ

だが、そこまでとも言える
不運な目撃者を前提にデッキが組まれているのでなく、元から存在している猫竈論争波乱パッケージに追加する形で入って来ているのだが、このカード自体が単体で何かを成していない事がとても気になっている 特に全体除去の後や、手札が尽きてからトップするのが最悪だ
目撃者の枚数も3.2,1とそれぞれテストを行ったが、好感触は得られなかった

ラクドスサクリファイスは軽いデッキだが、1マナクリーチャーから始まる高速ビートダウンではない 往々にして短期決戦ではなくカード1枚の損得を競り勝つような繊細なデッキだ
私はデッキの循環は寓話に一任し、強いカードで固めることに手応えを感じている

結果としては、2枚がシェオルドレッド、残りが23枚目の土地へと入れ替わった 感覚としては従来のラクドスサクリファイスを少し重く、かつラクドスミッドレンジとしては少し軽く といった位置へデッキをアジャストしたと言える


③ メイン/サイドへ土地を各1枚増量

シェオルドレッドの項目でも触れたが、今回のリストには23枚目の土地(黒赤スロー)を採用し、サイドボードには24枚目の土地として変わり谷まで採用している

メインボードは寓話を絡めないキープでも4マナまで必ず到達したいという意思のもとだが、土地の選択にはまだ検討の余地がある
例えば通常サクリファイスでは22枚すらフラッドする(だから1/1/1は手練として使う)ため、ラムナプの遺跡を採用している 黒マナが出ないにも関わらず2枚目を使う人もいるくらいだ 遺跡は本リストでも適任だと考えており入れ替え推奨

そして、サイドの変わり谷について
根本的に、ラクドスサクリファイスにはサイドボードに3マナのカードが多い(真っ白/コラガン/オブ/アクト)
寓話は脂牙の後手番以外減らすことはなく、波乱も抜き切るマッチは無い よって3マナのカードがインされるとマナカーブは崩壊する
オブやアクト、コラガンなど適正ターンにぶつけたいカードを抱えたままぎこちない動きをするようではこのゲームは勝つことは難しい

よりによって、私のリストにはサイドボードに実質同義の食肉を含め3マナのカードが8枚も入っている
サイド後のマナバランスに問題がある事は明白だ

そのため、メインに23枚目土地とサイドには24枚目の土地として変わり谷を採用した
これもラクドスミッドレンジから着想を得たもので、3マナのカードが増え、1段階ギアを落とす事から実践でも無色マナをストレスなく埋めることが出来た
実際に使用感も良く、除去や命取りの論争を構えながらアタックしたり、アクション数の向上に寄与している

本当に地味だが、多相は一応オブの+1と噛んでいる
自身の出したマナでクリーチャー化もできるが、2点とブロックで浮くライフのどちらが大きいかまず考えよう



④変形サイドプラン

この項目は①②③の集大成のようなもので、今回のリストの最大の構築理念と言える

私の感覚ではラクドスサクリファイスはONE以降、本格的にメタゲームの一角として意識され初め、MOMでボロス招集が成立して以降、明確にポジショニングされたと記憶している
これによって、様々なデッキのサイドボードに対策カードが採用されることとなった 例を挙げると

ラクドスミッドレンジ
・碑出告が全てを貪る👹
・食肉鈎虐殺事件
・風化したルーン石

イゼットフェニックス/独創力系
・兄弟仲の終焉👹
・未認可霊柩車
・削剥

青白系
・告別👹
・一時的封鎖👹
・安らかなる眠り

ボロス招集
・傑士の神レーデイン👹
・婚礼の発表

などといった具合だ(👹はこちらへ明確な殺意アリ)
他のデッキタイプでも 墓地対策やアーティファクト破壊といったアプローチでマッチアップをアジャストしてくるだろう

こちらも手札破壊の増量やPWでの軸ズラしなどで対応を行えるが、ハンデスでキラーカードを落とし相手のメインの動作へ干渉出来なくなる点が気になった

なので、上記対策に激突する要素(主に猫竈)をサイドアウトし対策を回避するアプローチを取る事にした
これであれば相手のサイドを透かしながら、こちらは相手の勝つ動きへ干渉ができる
シェオルドレッドやサイドの3マナカードを使ってラクドスミッドレンジへ変形サイドボードを行うという事だ

このサイドプランは苦手な相手にも行う
緑単やアトラクサコンボのサイズやマナ差、速度差(+カーンや各種妨害)にサクリファイスは太刀打ちできない このようなケースも猫竈と周辺要素をアウトし、ラクドスミッドレンジとして3:7の彼我戦略差を4:6や5:5に少しでも近づける

サイド入れ替えの詳細は特記しないが、このリストでは要らない30点カードを抜き、70点のカードへ入れ替えるイメージを実践して欲しい



ここまでが今回言いたかった事の全てのはずだ
ラクドスサクリファイスは独特のカード立ちで後の先を取りテンポとリソースを奪うリアクティブなデッキで、リストは細く、強そうなカードがあまり目立たないと思う
今回のリストは使用感がラクドスミッドレンジに近くなっているため、ミッドレンジを使っているプレーヤーの乗り換えや検討の一助となれば幸いだ