「おい地獄さ行えぐんだで!」
二人はデッキ(メインボードの事では無い)の手すりに寄りかかって、蝸牛が背のびをしたように延びて、海を抱かかえ込んでいる函館の街を見ていた。
――漁夫は指元まで吸いつくした煙草を唾と一緒に捨てた。巻煙草はおどけたように、色々にひっくりかえって、高い船腹サイド(サイドボードの事では無い)をすれずれに落ちて行った。彼は身体一杯酒臭かった。
赤い太鼓腹を巾広く浮かばしている汽船や、積荷最中らしく海の中から片袖をグイと引張られてでもいるように、思いッ切り片側に傾いているのや、黄色い、太い煙突、大きな鈴のようなヴイ、南京虫のように船と船の間をせわしく縫っているランチ、寒々とざわめいている油煙やパン屑くずや腐った果物の浮いている何か特別な織物のような波……。風の工合で煙が波とすれずれになびいて、ムッとする石炭の匂いを送った。ウインチのガラガラという音が、時々波を伝って直接じかに響いてきた。
この蟹工船■■■■株式会社のすぐ手前に、ペンキの剥げた帆船が、へさきの牛の鼻穴のようなところから、錨の鎖を下していた、甲板を、マドロス・パイプをくわえた外人が二人同じところを何度も機械人形のように、行ったり来たりしているのが見えた。■■■■の船らしかった。たしかに■■■■株式会社の「蟹工船」に対する監視船だった。
「俺おいらもう一文も無え。――糞。こら」
そう云って、身体をずらして寄こした。そしてもう一人の漁夫の手を握って、自分の腰のところへ持って行った。袢天の下のコールテンのズボンのポケットに押しあてた。何か小さい箱らしかった。
一人は黙って、その漁夫の顔をみた。
「ヒヒヒヒ……」と笑って、「マジック・ザ・ギャザリングよ」と云った。
やはり何処まで行っても俺はプロレタリアートなのだと痛感した 陽に焼かれ、雨に濡れ、風もない湿気の酷い部屋で汗を垂らす 昨日今日明日と、来る日来る日、、、
俺は今、マレーシアはスレンバンの蟹工船、■■■■株式会社から命からがらと脱出し、検収もろくすっぽに上がらないまま東へ帰ろうとしている
さながらモーゼ、このエクソダスにてヨルダン川ならぬ信濃川を渡る事は出来るのだろうか
振り返る義理はない(パンは膨らまないからだ)が、せめてこの地にさよならを伝えたい いや、一ヶ月後にはまた捕囚され湿度の高い部屋に閉じ込められるのだが
あーあ、最悪だよ
もう少し面白ければいいんだけれどな
仕事は難しく、生活は簡単すぎる
総評(100点満点 加減点方式)
・1日の生活費が800円 +5
・ホテルの地下にイオンがある +90
・なんなら横にホムセンとダイソーもある +5
・公用語は「魂」 魂は英語より通じるため +5
・トイレが脆弱すぎる -200
・電圧が高すぎる -100
・マジックザギャザリングが売っていない -100(+9億)
・日本からの出向組が全員イライラしている -2億
・現地人は時間を守らない -2億

下の方にある横線、赤道です
じゃあまた、マレーシアでは生き残りを懸けよう